2016年03月25日

【160129】村上春樹作品をかため読みしている。

村上春樹作品をかため読みしている。これまでエッセイはよく読んできたが、小説はろくすぽ読んでいなかった。
まだ10冊ほど読んだ段階だが、感じたことを記しておきたい。
村上小説の主人公は「規則正しさ」と「礼儀正しさ」という2点が共通している。
むろん、これは村上春樹自身の生き方を投影したものだろう。
主人公は、突如現れる「事件」をこの2つを崩すことなく、安定したものへと変質させてゆく。
これは、村上春樹自身が属している団塊の世代に対する、彼のスタンスが表れているようにも思う。
この年代は行儀が悪く、不規則生活者(バブルで遊び歩いていたのはこの年代だ)である。
村上春樹は団塊の世代の幼稚な生態に、結果的にアンチテーゼを投げかけることになっているように思える。
彼らは村上小説の主たる読者ではないのだろうが、皮肉なことに、「子育てで失敗した」とされる彼らの子供たちが主たる読者層になっているようだ。
とくに傷ついた若者が、村上作品を愛好する事情もわかる気がする。
極度の精神的混乱状況に追い込まれた主人公が「礼儀正しさ」と「規則正しさ」をもってして、しだいに安定を回復してゆく様は、彼らの心をも安定させてゆく効果もあるはずだ。
内田樹もコテンパン時代、喉を通ったのは村上作品だけだったと書いている。
まだ、取り掛かったばかりだが、初々しいこの時期に感想を残しておきたいと考えた。
さて、読書に戻ろう。


posted by 雄峰 at 11:11| 落人日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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