2015年11月02日

断酒日記 42日目「完全制覇、そのあとは」

司馬遼太郎の全作品を読了した。2年がかりで約300冊。
司馬作品は高校時代から親しんでいるが一念発起、全作読了しようと決意し、すべて新規に買い揃えた。
『国盗り物語』や『坂の上の雲』などは若い頃とは違った読み方ができて、とても愉快であった。
だが終盤に読んだ、古代朝鮮をテーマとした座談会やアイルランド紀行あたりは興味がないのでつらかった。
だが、これまでJR完全乗車をはじめ、数々の「完全制覇」を成し遂げてきたので、そのあたりの難渋はむしろ味わいというもの。
好きなことだけつまみ食いしていてはもったいない。全部丸飲みすることで、本質を捉えることができるようになるからだ。
夕暮れ時、最後の1冊を読み終えた。読書メモ(全作品で3500項目となっていた)を作ってから、ソファにもたれ、高尾山に沈む夕陽を眺めていたら、ふと酒が欲しくなった。
以前なら、こういう「記念日」には盛大に飲んでいた。
だがこの日は、湯を沸かし濃い茶を一服したにとどめ、次の仕事に着手した。
この経過は、私にとっては初めての体験であった。
あのとき飲んでいたら、夜更けまで延々と続き、今朝は二日酔いで仕事にならなかったであろう。
それに、次仕事に着手するのが億劫に感じられたはずだ。
「ひと仕事終えたら祝杯」というのが世の習いである。
だが、缶ビール1本くらいで切り上げるのがダンディなのかもしれない。
そうか、私に欠落していたのはダンディズムなのか。
酒にがっつき、飲めるだけ飲もうという意地きたなさ。ハアハアしながら、晩酌の時間を待ち焦がれる。
そういう日々を送ることで、私はどんどんさもしくなっていったようだ。
酒を断ってみて、取り戻しつつあるのは心の余裕。ダンディズムなのかもしれない。
写真:『司馬遼太郎全仕事』。2年前、信州善光寺門前の小さな本屋さんで発見。その途端、完全制覇の虫が疼き始めた。放送大学の講座で出向いた、雪降る寒い日でした。

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posted by 雄峰 at 13:30| 落人日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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