2015年10月19日

断酒日記 36日目「神楽坂・旅館『和可菜』〜下宿とお見合い顛末記」


旅館「和可菜」といえば、神楽坂の聖地。映画の台本を書いたりするのに、作家や映画関係者がカンヅメになって仕事をする場として知られている。その外観は神楽坂を代表する風景で、よく雑誌の表紙を飾ってきた。
和可菜の女将さん(「おばさま」とお呼びしている)の和田敏子さんが93歳になられた。とてもうれしい。
おばさまからは何かにつけてよくしてもらった。ひところは下宿させてもらっていたこともある。
当時は、二階の石畳側の部屋に住んでいた。はす向かいの部屋では、ちょうど「釣りバカ日誌」の打ち合わせをやっていて、夜な夜なその様子が漏れ聞こえてきたりしてわくわくした。
もっとも下宿以前から、和可菜の座敷を借りてよく飲んでいた。
他の酒席で余った酒も「盛池さん、どうぞ」と私のほうにまわってきた。
また時には、留守番をしたり、力仕事には駆り出されたりして、住み込みの丁稚小僧のようでもあった。
とくに思い出深いのはお見合い。おばさまの肝いりで4度お見合いした。
旅館の一室でのお見合いは滑稽であった。
正装した二人とお見合いおばさんたちが掘りごたつに入るのである。
お見合いおばさんにリードのしてもらい、「ご趣味は?」など、伝統にのっとったやり取りを少々。
やがて、「では、このあたりで、若い人だけで」の言葉を合図に和可菜を出て、神楽坂の行きつけの店に連れ出した。
着席するなり、私は「今回、何回目?」と切り出す。堅苦しいお見合いの空気をやわらげるには、この問いが効果的だ。お相手も「24回目(笑)」と一気にうちとける。
おばさまには、2年ほど前に、妻子をともないご挨拶に上がって以来だ。その後娘もできた。花の季節に、一家でお訪ねしたい。

写真:『神楽坂ホン書き旅館』と『木暮実千代』。木暮実千代さんはおばさまの実姉。

12112395_883326865080110_4297468653392974598_n.jpg

12109250_883327131746750_7952884984555391892_n.jpg



posted by 雄峰 at 10:36| 落人日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。